Spangle call Lilli line

2:12 AM


-- シングルとアルバム2枚、立て続けにリリースされているわけですが、この3枚はそれぞれ元々のコンセプトがあって制作に入られたんですか?それと も、出来上がった曲を割り振るカタチで、という感じでしょうか?

藤枝憲(以下 藤枝)  コンセプトがあって、ですね。このバンドは何か決めないとスタート出来ないので。最初にシングル1枚とアルバム2枚出そうっていうのは決めて。今回、歌 詞を(大坪さんではなく)違う人にお願いしてみようかっていう話になって、アルバム全部っていうとちょっと大変だろうってことで、まずシングルにしよう、 と。シングルはキャッチーなモノにしたいっていう意味もあって歌詞を外部にお願いして、アルバムはシングルで広げた間口をより広げていくような感じのアル バムと、その真逆のアルバムの2枚を作りたいね、っていう。


-- 毎回アルバムを作られる時も、そういったコンセプトありきでやってこられた感じですか?

藤枝  そうですね、音楽的なコンセプトだったり、“作る意味”みたいな時もありますね。その都度3人で「こういうモノを作ろう」というコンセンサスは取らない と、とっ散らかったりするするので。その辺は明確にして、っていう感じですね。


-- では、今回の制作の順番もリリースされる順に、ですか?

藤枝  いや、制作の期間は、曲作りとリハは全部一緒ですね。

大坪加奈(以下 大坪)  ぐちゃぐちゃです(笑)。


-- (笑)。このシングル「dreamer」は、相対性理論の永井聖一さんがプロデュースされていて、歌詞の方も書かれてらっしゃるということなんです が、いつもは大坪さんが書かれてらっしゃるじゃないですか。違いは当然あるとして、どのような違いがありましたか?

大坪  元々私の書いてる詞は何を言っているのかよく判らない(笑)っていうのが前提だったんで、リスナーの方に届きにくいいっていうのは、まぁ良くも悪くも あったんですけども…、今回割とダイレクトに何を言っているのか判るし意味も判るので、聴いてる人に届いてるっていう感じが伝わるというか。すごく新鮮で したね。


-- こう、違和感みたいなのはありました?

大坪  違和感はなかったですね。すんなりと。違和感のある歌いにくい歌詞ではなかったんですよ、サラッとしていて。


-- 詞の面で永井さんとやりとりはあったんですか?それとも上がって来たモノをそのまま歌うっていう感じですか?

大坪  そうですね、詞はそのままで。歌い方のニュアンスとかは永井さんのイメージがあったんで、それを訊きながら何度も録り直すという感じで。


-- ああ、歌入れの時に。

大坪  そうですね。




-- アレンジについてなんですけども、2曲目の「dreamer」はサロンミュージックの吉田仁さんが参加されてますが、同じ曲で別のアレンジをするっ ていうのも、元からのコンセプトだったんですか?

藤枝  元からというよりも…、永井さんとの「dreamer」はミドルテンポでスクエアな4つ打ち感があって、っていうのがまず決まってきて。で、カップリン グではそれと間逆なことをやっておきたいなと。「ホントに同じ曲?」っていうぐらいのモノにしたいという発想だったんですね。永井さんとの 「dreamer」がある程度見えくる中で、同時進行で裏で真逆のことを同じメンバーでリアレンジで録音して。


-- ああ、そうなんですね。

藤枝  永井さん「dreamer」の方は、永井さんのフレーズがすごく生きるようにして。もう一方の仁さんの方はその反動というか、テンポ感も速くして。この 『VIEW』と『forest~』っていうアルバムでもそうなんですけど、同時に真逆のことをやりたくなるというか(笑)、常に表と裏の両方を見せておき たいっていうのがあって。

笹原清明(以下 笹原)  貧乏性なのかな(笑)?

一同  (笑)

大坪  どっちかに思われるのが嫌なのかも。

藤枝  うん、どっちかに思われるのは嫌っていうのがあって。清涼感のある側面があればその逆だったり、コンパクトで聴きやすいモノがあったら、長くて違う聴き 方の出来るモノを出したいな、と。


-- なるほど。さらにシングルには「nano」のRemixが2曲入っていますが、その内の1曲が川辺ヒロシさん(TOKYO no.1 SOULSET)、という人選がすごく意外だったなと思ったんですけども。これはメンバー3人で相談して決めたんですか?

藤枝  レーベルのボスと話してですね。ボスと話してく中で何人か候補の人が挙がって、その中で「川辺さん面白そう!」ってなって。それも、やっぱり意外なライ ンがいいかなと。でも、元々僕はかなりマニアックな渋谷系フォロアーみたいな部分があって。


-- ええ!そうなんですか!川辺さんRemixはかなりダークな4つ打ちですね。

藤枝  やっぱり「nano」のRemixやリアレンジにしても、小山いずみさんのピアノのメロウな感じがあったら、その“真逆”も(笑)。


-- (笑)。元の「nano」がしっかりとあるので、どちらに振れても大丈夫な感じですよね。

藤枝  そうそう。シングル1枚なんだけども、その中でも光と影っていう感じになってて。だから今回のシングルは個人的にはすごい楽しいなっていうか…、僕が好 きだった頃の洋楽の7インチとかっていうのは、わりとそういう感じだったんですよね。

笹原  Remixで3パターンとかね。懐かしいね(笑)。

藤枝  そうそう。せっかくだしシングル出すことを楽しみたいなと。


-- やっぱりあれですか、7年前に「nano」のシングルを出したので、今回「nano」をチョイスしたと。

藤枝  そうですね。「dreamer」っていう曲が出来て、自分達の中で「シングルにしてもイイね」っていうのが出来たんで、カップリング曲も可能な限りシン グル縛りにしたいと。で、小山さんとの方は、ちょうどこのアルバムを制作してる期間中に、たまたまピアノヴァージョンのライブをやったんですよ。その中で 「nano」が良かったんで、これ入れたらイイかもと思って。だから、スパングルのシングルの集大成みたいな感じになってますね。


-- 詰まってる感じしますね!

藤枝  しますよね!…やっぱり貧乏性なのかな(笑)?

笹原  次のシングルは「dreamer」と「nano」のRemixが入る予定です(笑)。

一同  (笑)


-- だんだん増えてって(笑)。でも面白いですよね。それこそRemixアルバムみたいのを出すことはないんですか?

藤枝  そうですね、出してもいいかなとは思いますね。

笹原  トリビュートされたい。

大坪  されたいね。


-- イイですねぇ!

藤枝  活動がオフの時にはそういうリリースもイイかなっていうのはありますね。でも、たぶん(Remix)しづらいんだよね、スパングルの曲は。

大坪  トリビュートなら意外と調理し甲斐がありそうだけどね。

笹原  思いっきりメジャーな人にやってもらいたいですね。aikoさんとか。


-- おおー(笑)!

大坪  それ聴いてみたいね。

藤枝  完全に自分の曲になっちゃいそうだよね。

笹原  もうね、歌詞もメロディーも変えるのもアリ(笑)!


-- 矢野顕子的に。

藤枝  矢野顕子さんいつもスゴイですよね!もう完全に“矢野顕子”っていうジャンルになりますもんね。ある意味恐ろしいですよね。

-- そして4月には『VIEW』が発売になりますが、こちらは益子樹さんが共同プロデュースで参加しているということなんですけれども、益子さんとは久 しぶりの作業ですよね?

笹原  2ndアルバムの『nanae』以来ですね。

-- 8年ぶりですよね?

藤枝  そうですね。モード的にも『nanae』の感じに近いというか、バンドで骨格のしっかりした形の曲をやりたいというのもあったし、録音やアレンジ的にも バンドでやるのが調子が良かったので、ガツンと録るというか…チマチマ編集していく感じではなく、バッと聴かせたいというのがあったので。あと 『nanae』が好き、っていう人が結構多くて。わりとそういう意味では、久しぶりに益子さんとそういうアルバムを作ってみようと。モード的に 『VIEW』はそういう感じかなと。

-- 益子さんとの作業は普段とどのような違いがあるんですか?

藤枝  今回はミックスを益子さんに全権委ねるというやり方なんですが、『VIEW』って結構音数が多いんですよ。でも、音数が多くてもすっきり聴かせられると いうか、立体的になるという。空間というか立体的に考える人、なのかな?どの音を聴かせる・聴かせないっていうメリハリもすごく上手いですね。あとは、音 フェチというか。そういうところが『VIEW』と合っていると思いますね。

笹原  僕の『nanae』のイメージは他のアルバムと比べると結構“カワイイ”(笑)というか、キラキラした感じなのかな?他はわりと鬱蒼とした感じなんだけ ど。『VIEW』もそういう所があるかも。

藤枝  『nanae』はザックリしたバンド感があるんだけど、結構シャープだしクリアーだよね。『TRACE』は逆にシャープなんだけどハイファイなんだよ ね。

-- このアルバムの中で、以前のアルバムに収録されていた「Rio」をリアレンジされてますが、この曲はどういう理由でチョイスされたんですか?

藤枝  チョイスというか、逆にこの『VIEW』っていうアルバムは「Rio」を入れることから始まってるんですよ。

-- そうなんですか!?

藤枝  元々は、この『VIEW』に入っているヴァージョンがオリジナルの「Rio」なんですよ。『ISOLATION』と『PURPLE』に入っているヴァー ジョンは、今回の『VIEW』ヴァージョンを元にしてアレンジを変えたモノというか。いつかこの元のヴァージョンの「Rio」を入れたいよね、っていうの があって。このオリジナルの「Rio」がアルバム全体の中心として聴ける作品、っていう基準がまず1つあって、そこに他の曲を肉付けしていくような。

-- そうだったんですね。

藤枝  結構そういうヴァージョン違いってあるんですよ。微妙にタイトルが変わってたり…、“クロールシリーズ”とか。「Crawl」「New Crawl」「Crawler」だったり。

笹原  それはたまたまなんですけどね。意識しなかったんですけど、コード展開が一緒だったんですよ。だから曲名をシリーズにしようと(笑)。

藤枝  意識的なのは「Normal Star」「Super Star」、あと『ISOLATION』に入ってる「Russian Gothic bold」と『TRACE』に入ってる「R.G.B.」はコードの骨格が一緒なんですね。そういう曲は結構あるんですよ。自分達の今のモードでやってみ て、違う曲に定着させるっていう。

-- ということは、今までに出ているモノの中にもまだ披露していないヴァージョンがあったりするんですか?

藤枝  あるのかな…、だいぶ出尽くした?今回ので。

大坪  だいぶ…出尽くしたかも。

笹原  「B.P.」の元の元のヴァージョンはやりたいな。

大坪  ああ~!

藤枝  それは(デモ)テープで残ってるかな。

笹原  うん、テープである。あの曲は結構良いよね。

大坪  サビあれだよね…(と、鼻歌を歌う大坪さん)。

笹原  そうそう。凄いキャッチーでメロディーも「B.P.」と完全に違うものだし。シングルになりそうだよね。あれ僕やりたい、いつか(笑)。

-- 是非、次のシングルで作っていただけますか(笑)!

藤枝  (笑)。でも、そういう風にいちいち思い出さないとみんな忘れてるんだよね、たぶん。

笹原  掘り起こせばお蔵入りのデモかなり沢山あるかもね。

-- 逆に、今回アルバムに入っている曲で、過去にデモのみ作っていた曲もあるってことですね?

藤枝  特に『VIEW』の方は、過去にモードが合わなかったっていうお蔵入りだった曲がいくつか入ってて。3曲目の「rara」って曲は…、あれってバンドで 初めてレコーディングした曲なんだっけ?

大坪  2回目だね。

藤枝  かなり最初期に一度レコーディングしたんだけどお蔵入りっていう曲だったんですけど。今までのアルバムだと合わなかったんだけど、今の気分で演奏してみ たら「あ、意外と合うかも」っていう。この『VIEW』っていうアルバムは、1曲1曲がバラバラであることがコンセプトだったりもするので、非常に色んな タイプの曲を入れやすいアルバムというか、バラエティーに見せたいっていうコンセプトがあるので、メンバーそれぞれが入れたい曲を自由に入れた部分もあり ますね。“バラエティーでポップ”っていうのが縛りで。

笹原  入れればよかった、「B.P.」の元のヤツ(笑)。

大坪  いつか入れようって言ってて、忘れてたね(笑)。

藤枝  (笑)。でもホントそういうことだよね。そういうアルバム。定期的に過去のデモやモードを見つめ直すというか、そうすることでバンドとして次のところへ 行けるというか。1つのコンセプトを突き詰めて1つの方向に行くよりかは、いろんなことをやってみるっていう方が、バンドは成長すると思うんだよね。 『VIEW』作った時は「1つ抜けたな」って思いましたしね。

-- 実験ではないですけども…やっておこうみたいな感じがあると?

藤枝  そうそう。1つのテーマに沿って作っていく方が簡単…ではないけども、やりやすいというか。バラバラな曲を1つのモードにまとめていく方が、大変は大 変。でもそれを、今回は益子さんのミックスの手腕で1つの作品に聴かせてくれるという。


-- では3枚目の『forest at the head of a river』なんですけれども、今までのアルバムと比べるとタイトルが長いですよね。これはもうアレですか、意識的に長いタイトルで。

藤枝  そうですね、やはりこう“真逆”がやりたいという。


-- ああ、なるほど。

大坪  辞書をパッて開いて「コレ良いんじゃん?」みたいな(笑)。


-- そんな感じなんですか(笑)?

笹原  わりとそんな感じ(笑)。逆に悩んだら駄目。もうずっと決まらない。


-- へぇ~!ちょっと調べてみたんですけども「水源林」という意味だそうで。ではそういうのに準えて、というわけでもなく?

藤枝  いや、でも“森”とか“林”とかそういうアルバムイメージの話はしてて。で、「forest」とか言葉を調べると熟語みたいなのが出てくるじゃないです か。その例文をそのまま使ったという。


-- じゃあちょうど良いのがあったってことですね。

笹原  ちょうど良いのが(笑)。

藤枝  水も林も入ってるからね(笑)。“奥深い”っぽいし。

大坪  長いし(笑)。

藤枝  偶然というか、コンセプチュアルに見えて、実はもっとラフなやり方というか。『VIEW』っていうのは言葉的にもはっきりパッキリしてるんで、もう ちょっとあやふやなモノというか、自然ぽいモノにしようと。そのくらいのニュアンスです。




-- で、共同プロデューサーはtoeの美濃隆章さんが参加していますけども、美濃さんとは初ですか?

藤枝  そうですね。美濃さんとは前から何かやりたいなとは思っていて。イメージ的にも『forest~』の方は“全体感”というか、アルバム全体が1つの物語 のように進んでいくと良いなと。特に『dreamer』『VIEW』と出した後なので、最後はしっとりとした感じにしたいなと思って。曲がちょっとずつ場 面展開していったり温度感が上がっていったりっていうような曲なんで、そういうのに長けてる人じゃないとまとまりづらいかなと。


-- なるほど。この『forest~』は、1発録りやセッションで成り立っている曲が収録されているということなんですけれども、具体的にどのような感 じで進んでいく作業なんですか?

笹原  ベーシックなデモは作るんですけど。それこそループのドラム打ち込んでギター弾いてピアノ、っていうそのぐらいのシンプルな。それがまずあって、バンド のリハを繰り返す中で「ここはテンポアップしよう」とか「ここ変拍子にしよう」っていうのをスタジオでいろいろ試行錯誤して、足したり引いたりする、と。 かなりデモから変わっています、同じ曲とは思えない程に。


-- 後で編集したりっていうのもアリで?

藤枝  いや、わりと編集してないよね、今回は。

大坪  特に、構成というか尺はしてないね。

藤枝  今回、全員目配せ出来るような1つの部屋の中で録っているので、みんなのテンションが判りやすいというか。だから録音のテイク自体もそんなに録り直して ないよね?ほぼ2~3テイクぐらいかな。


-- ライブに近い感じですか?

藤枝  そうですね。ライブで再現したくないですけど(笑)。


-- (笑)。

藤枝  でも1曲目の「zola」って曲はすごく長いんですけど、それは今回のライブではやろうかなって。しかもライブ1曲目に。

大坪  ライブ1曲目から10分弱の曲って、結構チャレンジャーだよね(笑)。

藤枝  それでコケたら、そのあとライブすごいヘコみそうだよね(笑)。

笹原  そしたらもう1回最初からやる(笑)。

藤枝  1曲目なのにもう1回(笑)!気合を感じるな(笑)。


-- 一旦幕を下ろして(笑)。

藤枝  もう1回出てくるところから(笑)。でも『forest~』はそういうライブ感みたいなモノをパッケージング出来ているので、聴いていて気持ちが良いで すね。


-- ライブで聴いたらまた違う印象になりそうですね。

藤枝  それはホントそう思いますね。アレンジをバンドでやっている最中にレコーディングのテイクと全然違う「あっ良いかも」っていうリハもあって。気分によっ て全然グルーヴが違うっていう、そういう風に演奏出来る曲が多いですね。


-- で、今ライブのお話が出ましたが、6月5日にLIQUIDROOMでワンマンライブを予定していますが、その後しばらくはライブ活動を休止するとい うことを発表されてましたけれども、この理由というのは?

藤枝  純粋にオン/オフをはっきりさせたい、っていうのがあって。半年とか1年とかっていうお休み期間であればいいんですが、ライブに関してはもうちょっと長 く休みたいので。ライブ以外にバンドとしてやれることは全然やりたいんですけども。まぁ、ライブのお誘いなんかも頻度に頂くので、やらないモードの時は (「しばらくライブをやらない」っていうのを)きっちりアナウンスしたいっていうのがあります。

大坪  ちょっとリセットして、また第3期スパングルみたいな。

藤枝  第2期短いな(笑)!


-- (笑)。でもその2期の間にはソロというか別ユニットもありましたし、密度はすごいですよね。

藤枝  そうですね、10周年イヤーの折り返し地点を『ISOLATION』にするんであれば、そこまでの10年とそこからの2年でディスコグラフィーの枚数が 一緒なんですよ。

一同  えぇ~っ!

大坪  それは、生き急いでるね(笑)。


-- 段々リリースタームが短くなってきてるんですね。

藤枝  同じっていうか、実はソロも入れたら多いんですよね。

笹原  均すと年に1枚のペースで出せてるね。…良い人生です。

藤枝  良い人生だよね(笑)。ちゃんと支持してくれる人達がいて、バンドとして長く活動が出来て。

笹原  結成当初はLIQUIDROOMのステージに立てるなんて夢にも思ってなかったですからね。活動もマイペースだし、ずっと好き勝手にやってきてるので。

藤枝  そもそも音楽が本業じゃないしね(笑)。

一同  (笑)。

藤枝  でも本業じゃないってのが大事かなとも思って。それは全然その、音楽だけで食べてる人達がダメってことでは全然なくて。そうじゃないから出来ることも絶 対あると思うんで、そうじゃないから出来ること代表として。そっちの方が自分達は楽しいよね、っていう気持ちもあるし。音楽との接し方はいろいろあると思 うんで。

笹原  普段の生活で本業の苦しみをちゃんと味わってるんで(笑)、こっちでは楽しませてもらってます、っていう。


-- (笑)。ものすごく健全だと思います。

藤枝  そうそうそう。それが音楽をやっている人達から見て「羨ましいな」って思ってもらえるのならばそれはそれでいいし。自分達の活動内容とそれを支持してく れてる人達とのバランス的にも、自分達がすごいやりやすい環境で。そういう意味では、幸せな人生だよね。

大坪  ふふふ(笑)。




-- アルバムの発売前に訊くのもなんですが、次のアルバムのイメージっていうのはこう、おぼろげながらでもあったりします?

藤枝  まぁ、その時になってみないと判んないですね。でも最近は常に曲は作りたいっていう感じで。

笹原  やりたいことは個人的にはいろいろあるんですけどね。


-- それはスパングルとしてですか?

笹原  そう、スパングルとしてやりたいこと。仮にソロだとしても大坪さんに歌って欲しいかも(笑)。


-- 2/3スパングルですね(笑)。

笹原  (笑)。まぁでも、やりたいことがあるってことは、出来る可能性がある、ってことで。バンドってそうやって 解散したりするじゃないですか、「やりきった」みたいな。(スパングルは)まだまだあるぞ!と。

藤枝  やれることはまだまだあるよね。特に今回の3枚リリースはそれを再確認した。

笹原  人生で1回だけ、音楽だけしかやらない1年とかやってみたいですね。

藤枝  絶対に途中で写真録りたくなるよ(笑)。

笹原  そうかな~? あと毎回、僕は頑なに合宿レコーディングを提案してるんですけども。


-- じゃあ今まで合宿はされたことはないんですか?

笹原  ないですね。最初の頃は、レコーディングで嫌なモードになると家に帰れないとツラいというのがあったので。

藤枝  そう、だから今までは「ナシ」と思ってたんですけど、年々レコーディングが楽しくなってきてるんで、次あた りはやっても良いかなとは思ってきてるんですけども。

大坪  えー、場所によるかな。

笹原  山中湖とか?

大坪  いや、もうちょい楽しそうな。

笹原  ハワイとか?

大坪  うん、ハワイとか(笑)。


-- ハワイで録ったらだいぶ雰囲気変わりそうですね(笑)。

大坪  全然バンドのイメージと違うもの出来そう。

藤枝  でもホント、今、バンドとかレコーディングがすごい楽しくて。3人ともそういうモードなんですよ。12年かけてちょっとずつやってるんで、やっぱりリ リース枚数は多くなっても、基本マイペースだし、これ以上は悪くなりようがない感じがするんですよね。

You Might Also Like

0 comments

Popular Posts

Like us on Facebook

Flickr Images

Subscribe